60b660c7.jpg 米国債の格下げによる、パニックで格下げラッシュが起きている。

 米国債が格下げになれば、債権は売られて金利が上昇する可能性もあるのだが、米国の10年債の利回りは米国債の格下げ決定以降から金利が下落している。

※7月25日が3.00%だったのに対して、昨日のNY市場では2.10%にまで下落

 すなわち、債権価格が上昇しているのだ。

 株式市場が下落して、資金逃避先の一部として債権が買われているのだが、格下げにあった債権を資金の逃避先の一部として買うというのもおかしな話だ。

 そして、米国債が格下げされたにも関わらず、株式が大幅に下げたこともおかしな話のひとつだと思う。

 米国債が格下げとなり、米国債が投売りされ、金利の上昇が景気に悪影響を及ぼすと推測して、売られたならばわかるが、かなり先走っている感はあり、それだけ米国債の格下げインパクトが大きかったということなのだろう。

 今回の一連のパニックのなかで、目立ったのが金相場だ。
 
資金の逃避先の一部として有力なのが、金であることは有名である。

 金は、不変であるということから、リーマン・ショック以降も買われ続けてきた。

 1トロイオンス=1800ドル台に乗せ、史上最高値を更新している。

 昨年末には、1トロイオンス1300ドル台にまで下げたこともあったので、その時から3割ちかく上昇しているということだ。

 FRBのバーナンキ議長は先日の会見で、2013年まで米国は低金利政策を延長するということを明確に打ち出した。

米国経済がインフレであるにもかかわらず、QE3を実施すれば、金価格が上昇し続ける可能性が高い。

 金価格が上昇しても、我々の日常生活に与える影響は大きくはない。

 金は、半導体製品のワイヤーなどにも使われているが、使用料は微量である。

 宝飾業界では、金価格の上昇による影響は大きいだろうが、こちらは経済全体には大きな影響はない。

 金価格の上昇にともなって、その他の貴金属の値段も上昇する。

 こちらは、深刻化だ。

 銀や銅の価格も上昇する。

 銀は、感光材料などにも使用され、金よりも依存度は高いので、少し影響が出てくるかもしれない。

 銅は、すべての製品に使用されるので、影響は大きく、銅価格の影響は白物家電などの価格上昇で我々の日常生活に多少の影響を与えることが考えられる。

 金価格だけの上昇は、問題ないかもしれないが、連動する貴金属の値段の上昇はわずかながら我々の日常生活に影響を与えそうだ…