三菱重工が、100人乗り以下のリージョナルジェット「MRJ」を正式にローンチするらしい。

現在のところは、全日空とベトナム航空が購入するらしいが、いずれも政治力によって後押しされた形で、導入されるのだろう。

さて、三菱重工が作るMRJだが、こちらはYS-11以降の本格的な旅客機となり、完成機メーカーとしての復活が期待される。
現在の日本の航空機産業は素材・部品部門においてボーイングにとっても、エアバスにとっても欠かせないパートナーとなっており、日本の航空機産業=航空機の素材
部品部門を指すのが現状となっている。

今度、新たに就航するB787は日本の各部位担当比率が30%近くになっており、ボーイングはビジネス雑誌(日経ビジネスなど)で、Made with Japanと広告をうっているくらい、日本との連携がこれまでは重要だった。

また、エアバスについてもボーイングの関係が強いのでボーイングほど強い連携ではないが、パーツにおいては重要な部位を製造している機種もある。
世界一大きなジェット機A380においても、日本のメーカーが一部の部位を製造している。

ちなみに、ブリジストンのタイヤはB777でも使われている。

世界的にみると、重要な地位になる日本の航空機産業であるが、中国の追い上げもあり、決して安定しているとは言えない。
中国が、MRJの競合となるリージョナルジェットの計画をすすめているが、こちらも軍需技術を民生に応用してきているが、かつて存在して、マグネドル・ダグラスやエアバスなどの提携・委託生産を通じて、民生においても世界市場で通用するだけの技術力が蓄えられていることが予想される。

そのため、将来的には日本が現在になっている、素材・部品分野をとって変わる可能性があり、日本としても現状に甘んじているわけにはいかないという事情があり、その手始めとして、MRJが誕生したのだろう。

ただ、MRJが食い込むリージョナルジェット市場は、すでにカナダのボンバルディア社とブラジルのエンブラエル社の2社が激しい競争を繰り広げている市場であり、さらに中国のリージョナルジェットをつくる計画や、ロシアもスホイがリージョナルジェットをつくる計画もあり、さらなる激化が予想される市場だ。

中国もロシアも国内の潜在的な需要が強く、また中国もロシアも世界情勢において独特の外交を繰り広げており、その外交力を利用すれば、海外へ比較的容易に売り込むことができる。

しかし、MRJの場合、日本国内の需要は若干あるものの、2011年の羽田の再拡張には間に合わないという事態にある。
ただ、MRJができれば、70名前後という少なめの定員を武器に、地方間を結び路線が開設・再開される可能性はある。

MRJを海外に輸出するには、ロシアや中国の外交力の影響を受けない国に売り込むことになるが、日米同盟の関係が今後どうなるかで、MRJの世界戦略がかなり影響される。
また、カナダやブラジルの各社ともどう競り合うのかなどを考えると、世界戦略において大変な困難が予想される。

日本の外交力が弱く、またODAなどで航空機の輸出が難しい現状で、MRJが日本の経済にどれだけ貢献できるかわからないが、日本の航空機産業において完成機の製造ノウハウが次世代に伝授される貴重な機会であり、MRJはノウハウの継承などといった面では非常に大きい。

MRJの今後の動向に注目したい。