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BRICS中国=【統計】中国:地方政府の巨額負債、将来的な信用不安の火種か
2010/02/19 18:19

 南欧諸国の財政危機が金融市場で伝えられるなか、中国でも地方政府が抱える巨額の負債が将来、新たな信用不安を生むという危険性がとりざたされている。香港経済日報などが29日付で報じた。

 この背景には、各地でインフラ・プロジェクトが推進されるにあたり、資金不足を補う目的で、地方政府が借入依存度を高めていることがある。地方は自身で借金を背負えないため、専門会社を設立した上で、土地を担保に銀行から巨額の融資を受けている。

 融資規模も小さくない。中国銀行監督管理委員会の非公式な統計によれば、09年末までに地方政府が設立した融資引受け専門の会社は、少なくとも8220社に上り、債務残高は合計で6兆人民元(09年GDPの17%)に達した。また、西北大学の学者によると、すでに債務残高は11兆5000万人民元に膨らんでいる。2010−2011年にかけて、さらに7兆5000万人民元が上積みされる可能性が高いという。

 地方政府の巨額負債が金融市場に混乱を招くのではないか――という懸念もある。渣打集団(スタンダード・チャータード:2888/HK)のアナリストは、土地を担保にしている構造上、地価の下落が不良債権化の引き金になると警鐘を鳴らす。現在、抵当入りした土地の評価総額が8兆5000万人民元に上るのに対し、09年の土地売却規模は1兆2000万人民元にとどまるため。融資期間が長期にわたる点を強調し、その間、土地が資産価値を保ち続けるかどうかを疑問視した。毎年の利払いにも言及し、地方インフラ事業の投資リターンは一般的に見積りよりも低いと警告。利払い負担に耐えられないプロジェクトも出てくるのではないかと危ぐしている。

 ただ、地方政府が資本市場に参加できない以上、「隠れ負債」の増大は構造的に仕方がないとの見方もある。また、地方融資が足元の景気回復に大きく貢献したということも事実だ。

 中国は「予算法」で、地方政府の赤字予算編成、債券発行を原則的に禁じている。そのため地方政府は資金ねん出に向けた特殊な措置を導入。プロジェクトを手掛ける専門会社を設立したうえで、その企業名で借り入れを行う手法を使っている。担保には地方政府の保有地を提供し、場合によっては売却する。