TURACO、旅と日常を綴る

かつては、アフリカなどに旅行していました 最近はだるいので海外旅行いかず国内旅行がメインになりつつあります

2008年10月

 とうとう24日金曜日の日経平均の終値が、7,649円とバブル崩壊後の最安値に迫る勢いとなり、B/Sに10月分の追加損失を計上する額が過去最高額となるのは確実という状況なった。

 対円ベースで、ユーロ、ドルともに大幅下落となり、ドルは昨日のロンドン市場で90円台割れかという事態になった。さすがに、80円台まではいかなかったが、それでも80円台に突入する可能性を残しており、28日-29日に開かれるFOMCが市場の期待を裏切らない利下げになることに期待しつつ、当局の通貨介入が実現するかに注目したい。

 ドル防衛を行うためには当局がどれほどの資金的な余力(体力)を持っているかに注目が集まるが、もしかしたらこれまでのドル防衛を意識した発言などはこれまでの過程で体力を使い果たし、実際はそんなに体力が残っていない可能性もありえる。
 
 銀行間レートを抑えるのに精一杯だったFRB、ECB、BOJ、BOEなどの苦労はまだまだ続きそうだ。


 これだけ世界経済が悪化し、苦しい現状が続いているのだが、一向に景気回復の糸口は見えてこない。アメリカでは、9月の中古住宅の販売結果が市場予想よりも若干だがよかったが、中古住宅価格の下落は依然として続いており、バーゲンハンターの出現確認もできておらず、まだ下落の余地はあり来年の秋以降までは本格的な底入れはないだろう。
 ただ、今回の統計の発表は底が見え始める前兆なのではないかと思っている。

 アメリカ経済は、住宅価格の動向と新興国などへの輸出回復、次期政権による大規模な景気刺激策が経済回復の鍵となっているが、大胆な刺激策に注目するとアメリカの景気回復のために必要な起爆の財の原資となる資金がない。
 
 連邦政府の歳入は依然として、減少傾向にある。そこで、大規模な国債の発行を行おうとするのだが、どの国が信用力が低下したアメリカの国債を引き受けてくれるのか?というポイントが重要だ。

 これまで、アメリカ国債は、日本や中国などアメリカへの輸出依存度が多い国が引き受けてきたが、日本や中国なども体力がなくなりつつあり、代わって原油高を背景に産油国が引き受け先となっているが、産油国も原油価格の急激な下落を受けて、引き受ける余力がなくなりつつある。

 上記のような状態になると、アメリカは無理やり日本や中国、産油国などに国債を引き受けてもらうように頼むか、債権を放棄させて再度、債権を引受けさせるという方法があげられるが、後者の債権を放棄させて再度、債権を引受けさせるという方法を実行する可能性があるのではないかと心配している。

 仮に、上記の債権放棄と債権の新規引き受けが実現するには、保護主義に走る傾向がある民主党のオバマが大統領になることとが前提だが、これまでクリントン大統領の国内産業保護などを見ていると、空想ではすまないのではないだろうかと考えてしまう。

 私は、スーパー301条という当時のGATTでさえも条項の失効だと主張する保護政策が忘れられない。
 スーパー301条自体は、1988年に成立しているのだが、クリントン政権下のスーパー301条は強烈に記憶の中に残っている。

1945年以降に、第2次世界大戦によって荒廃したヨーロッパを立て直すために、アメリカが一部の債権放棄と資金の提供をヨーロッパのイデオロギーに関係なく行ったマーシャルプラン。
 
 今度は、アメリカに対してアメリカとの関係なしにどの国も行うことが必要になるのかもしれない。
 そうなると、世界情勢はこれまでの超大国アメリカを頂点とした体系から、複数の地域覇権国家がそれぞれの地域利益を代表して対立する体系へと変化する可能性がある。
 日本は、太平洋の権益をめぐって対立するアメリカと中国の間でどのような駆け引きを行うことになるのだろうか?今後の情勢に注目です。


 アメリカ経済の浮上案以外にもいくつかの景気刺激策がある。

 その中で、有望なのがBRICSとNEXT11など新興経済国による世界経済の回復シナリオだ。いずれ新興国による回復シナリオは書きますが、おそまきながらデカップリング論が実現されるのではないかと考えている。

 金融業界は、怒涛の9月の余波が続いている。

 今日の日経平均の終値も再び9000円割れとなり、主だった材料が今週はなく、来週のFOMCの利下げ発表までは下値を探る展開に再びなるだろう。

 10月10日の終値8,276円を下回って、バブル崩壊後の最安値7,500円前後を下回るかに注目が集まるが、10月下旬のFOMCの追加利下げと11月の上旬に発表される経済指標がすべて株式市場に悪影響となると、7000円台前半まであっさりと売り込まれる可能性もあるので、11月が中旬まではNYダウの動向に目が離せない。

 NYダウとこれまで逆相関の関係にあった債権や原油、金ですがこのところはダウの上昇に連動するような形になってきているかもしれない。

 ダウが下がると、世界経済が冷え込み、原油需要が落ちるのでWTIの先物価格が下がる。債権もアメリカ10年債などは一時期3.2%前後まで金利が下がり、債券価格も上昇していたが、最近はダウとの逆相関の関係も薄れ、債権安となり10月14日には金利が4.02%となるなど、株安、債権安、通貨安のトリプル安の懸念も再び強くなってきている。

 金は、最後の投資先(逃避先)として有名だが、アメリカでは1トロイオンスあたりが10月中は高くても900ドル前後まで下落し、昨日の12月先物価格では768ドルとなった。
 金は前述したとおり最後の投資先(逃避先)なので、この動向はより注意して見る必要があるが、背景として予想されるのは、世界的なインフレが収まりつつあることで金を保有する魅力が薄れたことや、金の需要は大半が宝飾業界で消費されているが景気の悪化による宝飾不況の懸念から金が売られていることなどもあげられ、ドル建てでの金取引に変化が起きているのかもしれない。

 原油に関しては、ダウと連動して上下するようになったので、景気が上向くと再びWTI価格が上昇し、景気の頭を抑える形となる可能性もあるが、この辺はOPECと先進国の協議で乗り切ってもらいたいが、リカップリングだけは避けたいのが実情だろう。

 通貨では、円高ユーロ安、円高ポンド安の流れが止まらない。ECBもBOEも近いうちに新たなに追加利下げを行う可能性もあり、ユーロは対円で120円を割る可能性も十分あり、ポンドも150円われの可能性も否定しないが、ポンドが150円割れをする事態は、私はいままで見たことがない。

 ユーロは、EU域内の共通通貨として注目を浴びていたが、今回の世界同時不況ではユーロ採用国の国ごとの政策が異なり、足並みがそろわずユーロ共同圏の弱点が露見した形となった。

 今回の経験を、今後のユーロ採用国がどのように活かすのかに注目したい。

 LIBOR、TIBORの金利の高止まりも徐々にだが緩和されつつあり、このへんの動きも今後どのようになるのか注目したいが、年末にかけパニック的な金融混乱は収まり、実体経済の悪化も来年の秋くらいがピークになるのではないだろうか?


 経済は大混乱だが、私の仕事も大混乱の中で奮闘している。最近は、仕事が終わるのが22時を過ぎるのは当たり前、残業時間は月平均で80時間超えは常態化しつつある。休日出勤も土曜日はほぼ出勤という状態が続いている。

 部署の食事会も今度の金曜日にあるが、私は仕事でいけない。会費はしっかりととられるが、悔しさは沸いてこない、悔しいと思う時間がもったいなく、目の前の仕事に追われている。

 中途半端に短期間の休暇(3日間)をとると体のリズムが崩れるので、極力リズムを崩さないように働いているが、最近は集中力が途切れることが多い。
 
 車で通勤しているので、事故を起こす可能性もあるので注意したい。
 
 以前のように、アリナミンを飲んでも朝からすっきりするような爽快感を得にくくなっている。株が上がれば少しは違うのだろうけど、まぁ1日は24時間、1年は365日しかないので楽しみを見つけながら仕事をしたい。

 大学時代の同級生たちも同じ境遇の連中が多いだろう…
 私だけではないので、明日もがんばりたい。

 リーマンHDの破綻、政府によるAIGの緊急融資、金融安定化法案の下院での突然の否決など様々な事態が起き、怒涛勢いで世界中に金融混乱が広まった2008年9月が終わったが、世界中で金融混乱がまだまだ続き、かつ実体経済への深刻な影響が起きていく下半期が始まった。

 日経平均も1万1000円台をとうとう先週の終値で割り込み、2005年の水準まで押し戻された形となったが、今後も株価は下値を探る展開が続き、ずるずると1万円を割り込む形になるのかもしれない。

 まだ、底が見えないアメリカの住宅価格に連動して、混乱が続いていたアメリカの金融業界だが、ワコビアを除いて大手金融機関の再編が一段楽したので、今後は中堅・中小の金融機関再編や、欧州の金融機関の統合が本格的に始まり、年内には欧州の金融機関の統合問題も終了し、アメリカの中堅・中小の金融機関問題も政府主導のもとで再編がまとまり、2009年の1-3月頃までには金融混乱も収まるのではないだろうかと予想している。あくまでも楽観的な見解だが。

 それにしても、2008年9月は歴史に残る忘れない月になるだろう。これまで行過ぎたとされる金融規制緩和によって急成長した大手投資銀行のすべてが、業態の転換または買収、廃業となり、これまでアメリカのGDPの3割を稼いできたとされる金融事業が一転してアメリカのお荷物となった。

 大統領選の論点も選挙当初はイラク戦争後の処理などをはじめとする外交政策などがメインテーマだったが、3月の金融危機から金融混乱への対処や減税のあり方などを含む経済政策に関心が移り、経済に強いとされるオバマ氏が人気を集め、史上初めて黒人の大統領が誕生する可能性がでてきた。

 イラク戦争後の処理を含めた外交政策も引き続き関心が寄せられているが、アメリカ人の多くが身近に感じている身近に利用している銀行が倒産するかもしれない金融危機と住宅ローンのほうがより重要で、経済問題を重視するオバマ氏が再び勢力を盛り返し、ABCなどの世論調査を見ている限りでもオバマ氏が大統領になる可能性が現時点では強い。

 ただ、マケイン陣営もペイリン効果で息を吹き返し、さらに金曜日に行われた副大統領候補者の討論会でもペイリン氏を再評価することなり、オバマ陣営がマケイン陣営を突き放した形となったわけではない。

 最後は黒人がアメリカの大統領になるという抵抗感をアメリカ人が払拭できるかが鍵となるだろう。

 大統領選まで、あと1ヶ月。アメリカ人の抵抗感も含めてどうなるのだろうか。

 日本の金融機関が相次いで、アメリカやヨーロッパの金融機関への大型出資を行ったことや野村ホールディングスによるリーマンの北米を除く事業買収も大変、関心のある分野だ。中東や新興国がこれまでは金融機関の増資の引き受け先となってきたが、度重なる増資を引き受けても下がり続ける株価に増資に対応しきれず、慎重な日本の金融機関を頼るようになったようだ。日本は、バブル経済の反省から、リスクマネーへの投資や大型出資を控えてきたが、その控えめな戦略が最終的には今日のような良い結果となったようだが、今回の大型出資や買収は今後の日本の金融業界にどのような影響を及ぼすだろうか?

 今後の世界金融はしばらく行過ぎた規制緩和を引き締め、レバレッジによる過剰なリスクをとる行動は控え、商業銀行主導の薄利多売なビジネスモデルへ戻るだろう。
日本もそれに同調して、商業銀行として地道に活躍していくシナリオも考えられるが、金融やITをはじめとするサービス業の輸出と国債の大量発行による消費を作ってきた輸入大国のアメリカが成立しない可能性がある。

 世界は、現在ある世界経済のシステムを大幅に変更しない限りは、今日のアメリカがおかれているような大量消費国を必要とするモデルが今後も必要とするだろうから、規制緩和もじょじょに解除され新たな金融モデルが誕生するだろう。新たな金融モデルが誕生するまでの過程で、日本がどれだけ関与し、かつ今回の出資や買収で得た海外資産を活用するかに注目が集まるのではないだろうか。

 もっとも、その前に日本の金融機関は金融混乱が収まり、ある程度の含み益が出た時点で出資先の株などを転売する可能性もある。一連の大型出資による相乗効果が出ず、中途半端な時期に転売するようであれば政治的な圧力という可能性も考えられる。

 今後は今回の金融混乱がどのような形で収束し、金融業界のビジネスモデルがどのような形になるのかに注目する必要がある。

 次回は、今回の景気低迷がどのような形で上昇するかについて、シナリオを書きます。

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