7d49b56f.jpgDBとは、ドイツ国鉄のことで私が海外で経験した中で最もすばらしいサービスを展開している会社だと思っている。
ドイツには、日本の新幹線同様にICE(Inter City Express)というスーパートレインが存在し、社内も快適ですばやく現地に到着できる輸送手段として国内では最も愛用されている移動手段である。
ICEは、1等と2等に分けられ、2等でも新幹線のグリーン車のように座席が広く、足掛けも装備されており、リクライニングの角度も最適で、日本人にはもてあますくらいだ。
また、ICEにはヨーロッパの鉄道の特徴であるコンパートメント(個室)も完備されており家族旅行でも安心して使用できる。
私が、海外の電車の中で最もリラックスして乗れた車両であり、ICEに乗るとしばし寝てしまう癖がドイツ旅行中についた。
DB社では、主要駅を清潔にし、利用客が心地よく快適に利用できるように常に配慮しており、かつサービスセンターも設置し、きめ細かいサービスを提供している。
たとえば、周辺の観光情報の提供や時刻表、ホテルやレストランの手配までしてくれる。
まるで、ホテルのコンシェルジェ・サービスのようであり、主要都市であれば英語で対応してくれる。
地方都市だと、パートタイムのおばさんが対応するが、辞書を片手にドイツ語でやりとりするのも楽しい。
最高のサービスを提供してくれるICEとDB社だが、サービスがよければそれだけ値段も高い。
ICEを利用してフランクフルトからケルンまで移動すると、ICE専用ラインを活用すると50ユーロ(7,000円)もする。
ケルンまでは、1時間の距離だ。在来線では、5時間以上かかる。
日本の新幹線と比較すると、東京から静岡までと同じで日本では6,000円程度なので、値段としては日本と変わらないが他の国から見ると高く感じる。
競合他社との競争では、ICEは国内の輸送手段では圧倒的な優位に立っている。
それは、定時発着率が世界の高速鉄道の中で日本に次いで2位であり、都市の中心地まで時間通りに移動でき、かつサービスもよいとくれば飛行機やバスなどと競争しても勝てる。
利用料金は高くても、それだけの価値を提供している会社であれば金に余裕のある人は総て取り込め、高付加価値・高価格戦略で市場に提供できる。
日本は、新幹線というすばらしい乗り物が存在しながらも、鉄道民営化を実行した。
ドイツは、同様のサービスをうまく活用しながら国鉄という体質で存続している。
いま、利用者の減少で伸び悩んでいる鉄道会社はDB社を参考にすることが解決策へとつながるかもしれない。